WEB校長室
丹澤校長メッセージ37 (中学校卒業式 ~祝辞~)
2021.03.19 丹澤校長メッセージ
Congratulations on your graduation day today, the fifty ninth year of ASSUMPTION KOKUSAI.
Today is an important day for you just as it is for us. We celebrate the end of an important stage in your education and the beginning of a new one that will be exciting and even more challenging.
We wish you all the best for the future/ hoping that the seeds of Assumption Education that we planted in you/ will grow and bloom/ to become the adults who will make a difference wherever you may be.
神様の祝福と共に、今日のよき日に学校法人聖母被昇天学院:アサンプション国際中学校を卒業される皆さん、誠におめでとうございます。
コロナ禍で例年とは異なり簡略化した形とはなりましたが、中学校卒業証書授与式を、保護者の方々にもお子様の巣立つ姿を見ていただいている中、ご一緒にお祝いできますこと教職員一同、大変嬉しく思っております。また、頼もしく成長されたお子様の姿に、お喜びもひとしおのことと存じます。
卒業生の皆さんは、義務教育を修了しました。中学校までの教育は義務として受ける教育でした。これから皆さんが受ける高等学校での教育は、皆さん1人ひとりの意志で受ける教育です。高等学校の3年間は、自分の進路を決定する大事な時間となります。ここで今一度この3年間を振り返って、次の高等学校での目標や自分の夢を定めてほしいです。入学までの時間を、自らの「未来」を思い描くために使ってほしいと思います。
皆さんの学年は、とても正直で明るいです。多くの学校行事の中でも、特に修学旅行は、中学校生活の締めくくりとして学年で行う最大の行事で一番の楽しみですね。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大で延期し、規制が沢山ありましたが、ホテルを貸切り皆さんと一緒に沖縄へ行くことが出来、有意義な時間を持てて本当良かったです。多少の弾丸ツアーでしたが、それも良い思い出となって皆さんの心に残っていることでしょう。そこで見ることが出来た皆さんの仲間同士を思いやる姿勢は、男女の隔たりがなく、54名がONENESSになっていました。先生も何十年ぶりに皆さんと一緒に海に入りマリンスポーツを楽しむことができました。海の中でも、皆さんは先生を支えてくれて、「大丈夫ですか?」とか「掴まってください。」と声を掛けてくれ、家族旅行に行った気持ちになれました。
皆さんは、温かい心、思いやりの心、素直な心を持っています。これは、私が保証します。そして、この皆さんの豊かな心は、本校だったからこそ養えることができた宝物です。
今の日本において最も求められているのは、グローバル社会の舵取りを行うリーダーです。アサンプション国際でしっかりと学んだ豊かな心と深い知識で、皆さんがいつしか世界のリーダーとして活躍する日が来ることを心から願って止みません。多様な価値観を尊重し合い、奪い合うのではなく、与えることができる人になって欲しいと、心から願っています。
これからも、本校の教育理念である「LIFE TRUTH FREEDOM GOODNESS ONENESS」を合言葉に、これからももっと幸せで愛に満ちた人生を過ごして欲しいものです。
「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。」
マタイによる福音書5章13節
今日は、卒業に際して、聖書の中にある「地の塩」について考えてみたいと思います。
皆さんは、「塩」と聞くとどのようなものを思い浮かべますか?塩は、食べ物ではなく、白い粉で、調味料であり、味が薄いときは塩をかけるとおいしい味になります。例えば、ポテトチップスに程よい塩味をついていればおいしい食べ物となります。塩味が薄いと物足りなく、塩が多すぎるとしょっぱくて食べれません。すなわち、味を美味しくするための調味料が塩です。そして、皆さんが「地の塩」なんですよ。皆さんが塩の役割を社会の中で果たすのです。
例えば、皆さんが日々の生活の中で、様々な人と関わり、色々な出来事を経験していくなか、お互いの足りないところを補いながらあなた方は「塩」の役割を果たし、良い人間関係が築けます。自分一人のためだけに生きているときには塩の役割を果たせないのです。「自分が、自分が」と、利己主義なときは、周りの人と上手な人間関係が築けていけないでしょう。その時は、味のない塩になっています。すなわち、ここにいる皆さんが塩なんだということです。
そして、自分自身を活かし、他者を思いやることが出来たとき、あなたたちは初めて塩となれるのです。この場合、他者とは自分の友人やクラスメートかもしれません。あるいは、名前もわからないどこか遠くの国にいる人々かもしれません。どうぞ、周りのひとたち、これから出会う人たちに、自分という塩を分け与えてください。そして、高等学校に進んでも、おいしく感じる塩味のある人と成長し人生を歩んでください。
そしてアフターコロナを生きる皆さんにとって、これからの変化の激しい社会を幸せに生き抜くには、『自分という塩』をしっかりともっていることが大きな力になります。
最後になりましたが、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。これから子どもたちは、義務教育を終え、大人への一歩を進んでいきます。高校生になってもまだまだ保護者の皆様の支えが必要な時期です。どうぞ、これからも保護者の皆様が子供の良き人生の先輩としてお導きいただきますようお願い申し上げます。
これまで本校の教育活動にいただきましたご協力、ご厚情に深く感謝いたします。
では、卒業生の皆さん、創立者:マリー・ウージェニーの教え通り『世界に一つだけの自分らしい花を咲かせましょう』。
外部の高等学校に進学する人も、ここアサンプション国際は皆さんの居場所ですので、困ったとき、心が折れそうなとき、助けが必要なときはいつでも戻ってきてください。ここには仲間がいます。
さあ、羽ばたきの時です。胸を張って、晴れやかに高等学校に進んでいってください。ご卒業おめでとうございます。
以上をもちまして祝辞とさせていただきます。
2021年3月19日 アサンプション国際中学校 校長 丹澤 直己